自転車を運転しながら携帯電話を触っていたための死亡事故
この事故は、2017年12月7日午後、神奈川県川崎市で起きました。電動自転車に乗っていた女子大生(20)が左手にスマホ、右手に飲み物をもち、左耳にイヤホンをつけて自転車を運転していて、歩行者にぶつかりその2日後に歩行者(当時77歳)が死亡するという事故が起きました。ぶつかった女子大生は、「ぶつかるまで気づかなかった」と話しています。女子大生は、その後、横浜地検に「重過失致死容疑」で書類送検されています。8月27日に横浜地裁川崎支部は、禁固2年、執行猶予4年(求刑禁固2年)の判決を言い渡しました。被告は、「急いでいたことが事故原因」と述べたが、裁判長は、「自らの運転態度についての内省が深まっていない」「歩行者を死傷させ得るとの自覚を欠いた運転は自己本位で過失は重大」と述べています。今回の事故では、被告が時速約9kmと比較的低速だったことと、反省の弁を述べているということで執行猶予つき判決となりました。
スマートフォンの弊害
スマートフォンは大変便利です。科学の発達によって、電話とパソコンが一体となったような機械が開発され、小型化されたことで、自転車を運転しながらでも操作できる時代となりました。ところが、その結果、携帯に気をとられ前方不注意のために、事故が起きています。自転車でさえ、ぶつかった相手を死に至らしめることがこの女性は想像することができなかったのでしょう。まさか、ぶつかった人が死ぬなどとは思っていなかったはずです。こういう姿は氷山の一角です。ぶつかった人がけがをしたというような例はこれまでにもたくさんあります。
ぶつかった人を死に至らしめてしまうと取り返しがつきません。
今回のような事故を他人事とせず、このような場合もあるのだから、運転中は、前方をきちんと見て運転することを意識していくことが大切です。
「私は大丈夫」と思うのではなく、携帯電話を触りながらの運転は、飲酒運転と同様、危険運転だという常識を国民みんながもつ必要があります。
携帯電話と生活習慣の乱れ
ある自治体が調べたスマートフォンの利用実態調査があります。平日の利用時間が1時間以上が小学生で役40%、中学生で70%です。さらには、3時間以上利用している子どもが増え、学習時間や睡眠時間などの生活への影響が出てきています。
自分専用のスマートフォンを持っている児童・生徒が増え、自分自身で利用時間がコントロールできない状況が生まれています。一種の中毒症状のようになり、親が注意しても聞けない子が増えています。家庭でのスマートフォンの使い方やルールを作って守らせることが大事ですが、実際は、それが守られない状況がだんだん増えています。
酒やたばこのようなもので健康や生活に悪いということが分かっていても、一度その味を覚えてしまうと、なかなかその習慣から抜け出せないのがスマートフォンやタブレットの利用です。
これらの使用は家庭での出来事なので、学校が直接関与できませんが、今や大きな社会問題となっています。国も、子どもの学力を上げたいのであれば、このスマホ使用についての対策を考える必要があります。
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